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2014年09月14日

週末コラム ~虫のエサになる運命(さだめ) 後編~

前編からの続き。


④ヌカカ


 ヌカカ・・・音の響きから、この生物がなんたるかを判別できる人、あなたは虫マニアです。
 この生き物の生息地は沖縄に限ったものではないらしいんですが、存在を知ったのは沖縄にきてからのことでした。
 読者のみなさんは、ヌカカなる生き物を知ってますか?
 

 断言しましょう・・・ヌカカは、私が今まで出会った中で最凶最悪の吸血害虫です。

 ヌカカは、ハエの仲間で人を刺すという点では、アブに近い。
 ウィキペディアで調べてみると、羽ばたきの回数が1,046回/秒と、全生物最速とのこと。ここまで素早いと、とても人間の耳が聞き取れる羽音ではない。
 それも含め、ヌカカが恐ろしい理由は、次の3点だ。
 一つ目は、現れるのは陽の刺さない時間帯なのに、羽音が聞こえない、しかも体長も1,2mmほどなので、接近に気がつかないこと。目視確認がかなり難しい。
 二つ目は、刺されている最中に痛みも痒みもないこと。なので、刺されている最中に気づくことができない。刺されたら吸われたい放題で、被害を最小限に抑えることができないのだ。
 三つ目・・・これがたまらないのだが、とにかくハンンパなく痒い。蚊の比ではない地獄の痒さなのだ。


週末コラム ~虫のエサになる運命(さだめ) 後編~
ヌカカ。石垣島の方言で、モッコと呼ぶ。


 ヌカカの存在など露ほども知らなかった石垣島生活1年目(沖縄4年目)。
 崎枝半島の御神崎の近くで、日中は海三昧、夜はキャンプと朝までフルコースを楽しんだことがあった。
 まだ5月中ごろで適度に涼しかったため、少し蚊の対策を怠っていた・・・が、それがよくなかった。

 朝、テントから出てきて友達と言葉を交わしていると、みな一様に不思議に思ったことがあった。

「ねぇ、なんか見たことない赤い円形の跡がたくさんあるんだけど、コレ何だろ?」

 体のあちこちにある、これまで見たことのない直径1cmほどの赤い円。不思議なことに、この赤円は全く腫れていない。
 海で変な病気でももらったのかな?もしや現代にひっそり生き残った恐ろしい伝染病か何かか・・・?
 なんて冗談を交わして帰宅したが、その日の深夜、事態は急変した。

 強烈な痒みで眠りから引きずり起こされ、叫び声をあげてのたうち回りながらベッドから転げ落ち、畳に体中をすりつけた。


 痒い。
 これまで生きてきた中で、これほど痒い経験をしたことがないほどに痒い。



 悠長にベッドの中で脚をかいているレベルではない。全身を刺されていたら、もうベッドから落ちるしか選択肢がないほどに痒いのだ!!!


週末コラム ~虫のエサになる運命(さだめ) 後編~
この衝撃が自分の身にふりかかることになるッ!


 この時になってやっと、赤い円が得体のしれない虫に刺された跡であることが理解できた。
 石垣島育ちの友達は当然のようにこの虫の存在を知っていたようで、とにかく海辺でキャンプをする際は気を付けるようにと強く説かれた。いや、今更言われてももう遅いけどなー。
 この地獄の痒みは2週間ほど続き、耐えられず職場でも全身をかくという情けない姿をさらすことになった。あぁ、女性としての株がどれだけ下落しただろなぁ・・・(涙

 この出来事があってからは、夜海に行くときにはどれだけ暑かろうが、必ず顔以外は肌が露出しないよう厳重装備で出かけるように。人間は、将来の利益のため目先の利益を我慢できる唯一の生き物ですからね!
 そして、私の中での最も嫌いな虫の座が、蚊からヌカカに移ったのでした。



⑤フナムシ


 ここからは人を刺す虫以外に話を移そう。


週末コラム ~虫のエサになる運命(さだめ) 後編~
フナムシ・・・それは海のゴキ○リ。そしてゴ○ブリとダンゴムシの異種愛の結晶。


 フナムシは多足の生き物ではあるけど、ムカデやゲジのようにあまり不快感がない。
 むしろ、触ろうと思えばそれも可能な、私の中では不思議と可愛らしい生き物に分類されていた。
 とは言っても、やはり虫は虫。その出来事は、なんの前触れもなく起こった。

 石垣島に、トミーのぱんという超有名店がある。
 焼きたてを狙って行っても、予約だけでほとんど買い占められてしまって好きなものを購入することができないほどの人気店。
 そしてこのパン屋の下には、シュノーケルに適度な綺麗な海が広がっている。


週末コラム ~虫のエサになる運命(さだめ) 後編~
場所はちょうどここ。

 2度しか訪れたことがないが、最初訪れた際に驚くべき光景を目にした。


週末コラム ~虫のエサになる運命(さだめ) 後編~
あまり意味のないモザイク。


 見えている岩場全てに、写真の密度でフナムシがぎっしり群れていたのだ。。
 岩場を歩くと、進む速度でザザっと散っていくフナムシ。気持ち悪いがその様は意外と楽しかったのを覚えている。

 1ダイブが終了し、私は一人、岩場に残った。その辺に寝転んでみなが帰ってくるまで仮眠を取ろうと思ったのだ。
 例えフナムシが大量にいたって、人がいれば寄ってこないだろう。そう高を括っていたが、その予想は意外な形で裏切られることになる。

 寝転がって15分ほどが経過したころ、ふくらはぎに妙な違和感を覚えた。違和感というより、鋭い爪の先でガリっとかかれるような感覚。
 しばらく経っても止むことがないので、何かと思って薄目を開けると、そこには一生懸命私の脚をかじっているフナムシの姿が・・・!
 しかもそれだけでない、よく見てみると全身くまなくフナムシが這い回っていた!!(なぜ気づかないって、ラッシュガードを着てたから)

 おおおおおおお!!!!!

 思わず全身を震わせて反応すると、ヤツらは身の危険を感じてクモの子を散らすように逃げ去って行った。

 しばらく茫然として我に返った時、はたと気がつく。
 フナムシどもは、完全に私をエサとして認識していたという事実に・・・。



⑥????


週末コラム ~虫のエサになる運命(さだめ) 後編~
この話の〆に、あの子の出番がやってきた・・・。


 私をエサと認識する虫の話も、ひとまずこれで最後。・・・これは、つい最近の話になる。

 去った7月、夏真っ盛り。
 友達に呼ばれた飲み会がかなりヒートアップし、酔いも回って体も火照ってきたため、クールダウンしようと一人店を出た。
 目に留まったのは柔らかそうなシダ植物が多く育てられている植え込み。
 座るには適度な高さとスペースだったので、遠慮なく腰を下ろさせてもらった。

 植え込みに手をかけて、生ぬるい排ガス混じりの空気に身を浸すこと、しばし。
 シダ植物が左手の甲に触れ、擦れた感触がした。

 ・・・なんかおかしい。葉が小刻みに揺れるほどの風は吹いていないのに、シダ植物は甲の同じ場所にずっと触れ続けている。
 視線をゆっくり斜め左下に落とすと、そこにいたのは・・・



週末コラム ~虫のエサになる運命(さだめ) 後編~
とても生写真は載せられないので、擬人化した姿でお届けします。

 G!!

 私の甲を必死でかじっているGの姿が、そこにはあった。
 その時は酔っぱらっていたので、自由のきく右手でGにデコピンをかまし撃退したものの、酔いが覚めた後で、このGにガジガジされたという事実はちょっとキた。

 ついに、ゴキブリにエサとして認識されるようになったか・・・。


 死んでしまえば、分かる。死んでしまえば自然界の生物的ヒエラルキーは音を立てて崩れるので、納得できる。
 でも、私は死んじゃあいない。生きた人間なんだよ・・・なんで食いつくんだよ。その辺の残飯と同じ扱いか・・・。


週末コラム ~虫のエサになる運命(さだめ) 後編~

世の中にはGのラジコンなどというキテレツ極まりないものまで存在する。クリックで購入サイトに飛べるので、誰か買って感想聞かせてください。



 とりあえず今回は以上で終わりです。
 2年経過して咬まれた跡が未だに残っている山中のマダニとか(また咬まれたの私だけ)、県外での出来事とか、本当はもっとあります。ええ、もっとあるんです。。

 ホタル見学のあの出来事以来、何かにつけて「私、虫のエサだから」と言ってきたのだが、もしかするとそれが言霊となって本物のエサと化してきているのかも・・・。
 これはやっぱりやめるべき?それとも腹をくくって自己のアイデンティティとして自己PRにでもすべき??

 読者のみなさんは、虫に刺されやすいですか?刺されにくいですか?
 これまで生きてきて、私以上に虫に食される人にまだ会ったことがありません。
 あなたが私と同じくらい虫のエサであれば、きっととても仲良くなれると思うんです。

 でも、こんなに虫のエサになるのは単純に不幸です。いいこと何もありゃしませんからね。
 もしこの世から吸血害虫を撲滅しるような画期的な発明がされれば、私ほど恩恵を受ける人もいないと思うし、一生開発者を崇拝するだろうと思います。
 とは言ってもそんなの夢物語なので・・・こうすれば体質が変わる、エサ認識されなくなる、ということを知っている方は、どうか私に教えてください。
 心からのお願いです。。



*最近文中に妙な言葉づかいがあるなぁと思った方。どうもすみません、今夜中にジョジョやってるんです。。



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この記事へのコメント
虫のエサ?フナムシが人間をかじる?不思議がいっぱいです。Gがかじるのは聞いたことがあるのですがフナムシ被害は初めて聞きました。
牧さんってひょっとしたら生命誕生の母、海の要素が身体中から滲み出ているからあらゆる生物から好かれているのではないでしょうか(笑)・・・
Posted by 庚子(かのえね) at 2014年09月14日 22:47
・・・ヌカカ・・・、響きからもう怖いです。沖縄本島にもいるんですかね?できればお会いしたくないです(泣)。牧さんやたら虫に刺されたり噛まれたりしてますが、美味しいんですか?フナムシに噛まれた人初めて聞きました。
今度味見させて下さいね(笑

機会があればお互いの虫刺されトークでもしましょう(爆
Posted by はまぼん at 2014年09月14日 22:57
>庚子(かのえね)さん
私もフナムシに人がかじられた話は初めて聞きましたよ(笑)どこが美味しそうなのか全く分からないんですが、節足動物より脊椎動物に好かれたいですね~・・・いや、食べられるのは御免こうむりたいですけど!^^;

>はまぼんさん
多分、本島にもいますよ!夜の浜辺は要注意です!本当に!!
味見ですか?そうですね、髪の毛とかなら(笑)
はまぼんさんも経験あるんですね、ぜひお願いします^皿^
Posted by  牧 at 2014年09月17日 20:42
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