11月の第2週は沖縄旅フェスタというイベントに出ていました。
沖縄県民もたまには旅行したら?ってことで、日本各地だけでなく、世界からも出展者が集まって、ちょっと腰の重い沖縄県民にここぞとばかりに地元をPR。
私も休憩時間に見て回ったんですが、やっぱいいですね。当初その気がなくても思いもかけない場所に興味を持ったりと、次どこに行こうかとテンションが一気にあがってきます。
翌第3週の土日は池袋でアイランダーという島好きイベントに出ていました。
来年世界自然遺産登録を目指しているやんばると西表、あとついでに奄美大島と徳之島をPRするためです。
やたら緑率が高くファンシーなブース展開だったなぁ
この時、渡嘉敷の観光大使ということで、なんと体操のひろみちお兄さんが来てました!(ただし30分のみ)
「もうひろみちおじさんだよね(笑)」なんて呟きも聞こえてきたが何のその!今も十分かっこいいなぁ。。
2週も続けて週末がないと、ストレスもたまる。
ストレスがたまると、思うことはただ一つ。
旅を・・・・私に旅をさせろーーーーー!!!!!
この半端ない旅欲求がピークに達したちょうどその時、11/23~26は広島・山口へ1人ふらりと出かけておりました。
最初にやってきたのは、広島市からJR在来線に揺られて1時間半の場所にある、尾道。
尾道といえば、多くの映画、ドラマ、アニメの舞台にもなっている坂の多いまち。最近は自転車の聖地、しまなみ海道への玄関口としても知られ、サイクリストもちらほらと見られます。
しかし朝8:30の尾道には観光客の姿はまばら。思っていたより小さなこのまちをこの時間から遊び倒すなら、やはり徒歩。端から端までとにかく徒歩にて制覇を目指し、歩く、歩く、歩く。
神社仏閣好きにはおススメ、私も歩いた古寺を制覇するコース
尾道のもう一つの代名詞は、猫。
小さな坂道を縫って歩くと、あちこちに猫の姿が見られます。
決して人には近づいてこない猫と、気づけば踏んでしまいそうなほど脚にすりよってくる猫に分かれる不思議
なんというか・・・気弱そうな一人旅の男性が、ひたすら猫を愛でている姿を多くみかけました。そのような種の男性に人気なんでしょうか尾道。。
艮(うしとら)神社のわんこがやたらクール
このまちでの一番は何かと問われれば、やはり志賀直哉が若かりし頃住んだ旧邸でしょうか。
かの文豪が愛した風景を、今まさに見ているのだ・・・
普段は上がれないのですが、管理人の特別の配慮で畳の間に座らせていただきました!・・・って、これ書いていいのかしら?
ところで、小さな生き物の死と生への考察を巡らせる彼の代表作「城の崎にて」は、ここに住んでいたことがきっかけで生まれた作品だそうな。こうなったら次回は城崎温泉に足を伸ばしてみようかな・・・今なら「聖地巡礼」なんて綺麗な言葉がありますが、別の言い方すれば
死人へのストーカーですね、これ。
そして2日目は、小学生の時から足を運んでみたいと思っていた宮島・厳島神社へ!
海に立つ大鳥居・・・ずっと憧れ続けたこの景色・・・。
世間的には大絶賛不人気だった大河ドラマ「平清盛」を熱心に見ていたり、戦国時代をぶっとんだ思考で描いたゲーム「戦国BASARA」が大好きだったこともあり、真っ直ぐに思い続けてきた気持ちとちょっとナナメな思いが複雑に交差する大鳥居の景色。
さて、厳島神社を拝観しようと入口までいくと、そこにあったのは長蛇の列。仕方ないので別の場所で時間を潰して約4時間後に中に入り、御朱印をいただこうとしたのですが・・・
全員御朱印待ち!どんだけみんな御朱印欲しいんだか!・・・いや、私もか。。
結局30分近く並ぶことに。しかも待ってる最中、
雨が雪に変わったんですよ・・・。寒さが大の苦手な私、この状況があまりに辛すぎて沖縄が恋しくて仕方ありませんでした。
そして翌朝は6:30に宿を出て宮島最高峰、弥山へ登頂
誰か一人くらいは早起きして登る人がいるんじゃないかと期待したんですが、残念なことに誰にもすれ違うことはありませんでした。宮島、こんなに沢山人が来るのに・・・その誰とも感性が合わないという事実に直面。
どなたか、こんな私ですがいかがでしょうか?
期待した紅葉は14分咲きだったけど、水中に積もった紅葉もまた美し・・
最後は、恥ずかしくも今年初めて知った錦帯橋へ。
こちら錦帯橋は山口県岩国市に江戸時代に架けられた、木造5連アーチの大変美しい橋。
日本の三名橋と三奇橋の両方に選ばれている、日本屈指の橋なのである(しかしこの年まで知らなかった事実)。
宮島もそうだったけど、ここでも結婚式を挙げているカップルが。
いいですね、私も結婚式するんだったらこんな感じでやってみたいかも!ただでさえ一生の思い出の結婚式がそれ以上の思い出になりそうですもん。
夜は中途半端なライトアップやってます
佐々木小次郎像の持ち手がアバンストラッシュだと合流した友達と大盛り上がり
この正味3日間の旅・・・最初から歩きまくることを想定していたのですが、計算してみてあらびっくり、なんとその距離約
50km!これには尾道の坂道や宮島の弥山登頂も含まれているので、単に平地を歩いただけではありません。
恐らく、たまったストレスが全て歩くエネルギーに変換された結果なんだと思います。日常生活に辛さが満ちていればそれだけ旅も楽しくなるもんだと、当然なんだけど改めて痛感した秋の尾道・宮島・錦帯橋の旅でした。
さて、話を沖縄に移しましょう。
今回はDEEに掲載していただいた内容になりますが、次回に力入れたいのでやや省エネな内容になっています申し訳ありません。
まず、本編に入るその前に。
今回は絵面が美しいとは言い難いので、食事中の方、美しくないものを目に入れたくない方はぜひページを閉じてください。
10月のある日、首里劇場を題材にしたドキュメンタリー映画「琉球シネマパラダイス」が上映されるとのことで首里劇場に足を運んでみました。
首里劇場は
初期の記事で少しだけ紹介したことがありますが、詳しく知りたい場合はDEEの記事、
「愛と夢とエロが詰まった首里劇場」を読んでいただければと思います。
本格的に劇場として利用したのは今回が初だったのですが・・・この劇場には「愛」、「夢」、「エロ」に続く第4の要素が詰まっていることが判明したのです。
なお、DEEの首里劇場の記事を読んでいない方は、ぜひ先に読んでおくことをおススメします!
夕方4時半。二度目ましての首里劇場
劇場に入って入場料を支払うと、受付の男性がすぐ私に声をかけました。
男性「お手洗いは大丈夫ですか?」
牧「家出たときから行きたいと思っていました。席確保したらすぐ行きます。」
男性「えっと・・・トイレはあるにはあるんですが・・・ぜひとも龍潭の近くまで戻ってくださいね。」
牧「?なんですかそれ?」
男性「う~~ん、女性には厳しいと思いますよ。」
牧「ぜひ、行ってみます!!」
受付の男性の言葉選びが非情に歯切れが悪い。これは絶対に何かある。
まずは席を確保して、お手洗いに向かう前に本日のチラシに目を落としたところ、
※トイレがありません
いやいやいやいや。受付の方、トイレあるって言ったやん。なんで亡き者・・もとい無きものにされてるわけ?
なお、首里劇場のトイレは、
舞台に向かって、
左側に存在する。
緑色に光る「手洗い」の標識の右側にあるもう一つの看板、
「便所」の文字がなんだかコワイ。
そしてこの看板がこのトイレの本質を全て現しているとは、この時は想像だにしなかったのであった。
それではさっそく、年代モノの疑惑の空間へ足を踏み入れてみましょう。
ドキドキドキ・・・
なるほど、これがチラシに無きものにされていたトイレです。
確かに古いことは古いけど、だからって「無い」とまで言い切るレベルでもないのでは?
ここまで足を運んでくると、ほんの少し様子が変わる。緑の光が女性用個室空間の上を照らしている。
緑・・・なんだこのセレクト?あまりいい気がしないのだが・・・。
男性用便器
影で便器の姿が写っていないが、実は便器らしきものは存在しない。何があるかというと、
そこに壁があるのみである。なにそれ!?しかも日々ターゲットとなっているであろうこの壁の色・・・まるで欧米のホラー映画に出てきそうな様子に変わっています。
そして女性用トイレにさらに近づいてみたところ、
かなり気味悪くなってきた。左の白い壁を越えてしまえば・・・
どう見てもお化け屋敷です、本当にありがとうございました。
怖すぎて用が足せんわ!!!
そう、首里劇場第4の要素・・・それはご覧のとおり、
"ホラー"だったのです。
・・・とはいえ私の生理現象もそろそろ我慢の限界です。勇気を出して個室=女子トイレに入ってみましょう。
女子トイレの空間から見上げる窓
フルオープンでちょろりと植物の根が這い回っている。そしてべろりと剥がれている白い壁。
立ってる時の目線の先
外部からコンクリート壁を破り、押し入ってきた植物の根?らしきもの。この生命力の強さから、ガジュマルではないかと推察。
天井を見上げてみよう
屋根からも容赦なく侵入している植物たち。劇場側には撃退する気はないようだ。
で、肝心の女子トイレの用を足す場所の造りはというと・・・
すみません、今回の撮影は全てガラケーのカメラなのでフラッシュ機能がなく、レンズを向けても写るのはほぼ暗闇。
でも冷静に考えたら、フラッシュたいて撮影すると生々しく写ってしまうのでやはり撮影はしない方がいいのかもしれないと前向きに考えてみました。
だと読者の皆さんが満足しないと思うので図解。
女子トイレも男子同様、便器というものは存在せず、人がまたがるだけの縦長の穴が空いているのみ。底は当然見えません。
そして、紙の備え付けはなし。
この時はタイミングよくポケットティッシュを持っていたので事なきを得ましたが、もう一つ難があるとすれば
扉が閉まらないだけでなく鍵すらもかからないってことですかね。。
総評:一般女性にはムリ
これでは無きものにされてもしょうがない・・・そう思わざるを得なかった首里劇場のトイレなのでした。
手洗いだけは前世代的だけど許容範囲内で一安心
まるでガチのお化け屋敷のような首里劇場のトイレ。その空間にいる間中ドキドキが止まらなかったのですが、用も足して手を洗ってしまえば、無事に生還できたような気持ちを味わうことは必須です。
席に座っていると、私と同じように「トイレヤベーよ!」と言いつつ喜んでいる男性客の姿を見かけましたが、ここは一見の価値アリですね。
上映後の関係者の挨拶で一言しか発しなかった金城館長
登壇してお話をされていた40代半ばほどの男性曰く、「僕が小さな頃はこんなトイレまだあったけどね。30代以下だとさすがにないだろな~」とのこと。
読者のみなさんの中にも、小さな頃こんなトイレを経験した方もいることでしょうね。
さすがに現在進行系ってことはまずないでしょうけど。
日本は世界最高峰ともいえる清潔なトイレが普及していますが、少し昔の沖縄のトイレに70年弱の時間の経過という要素を足せば、現代人には恐怖感しか与えない凄まじい空間になるのだということを強く体感した、首里劇場のトイレなのでした。
さて、最後に少し小話を。
この首里劇場のトイレの構造を考えれば、これが
うみそら公園近くの下水処理場につながっていないことは火を見るより明らかです。
となると、ここは汲み取り?沖縄でバキュームカーを見かけるのはとっても珍しいことなんですが、2017年現在、沖縄の下水普及率は全国を下回っているそうです。
12年前、まだ沖縄に住み始める前のこと。
沖縄で出会った県庁のおじさんに、こんなことを言ったことがありました。
牧「沖縄の美しい海を守ってるのは下水道ですよね。なので、沖縄の下水道の普及を今以上に目指すべきだと思うんです。」
おじさん「君はそんなことを言ってるけど、沖縄の下水道普及率は全国平均より上ですよ?」
牧「(ぐっ・・・!)平均より上だからいいってもんじゃなくないですか?」
あれからはや12年・・・うかうかしている間に全国に抜かれてしまったんですね、、、沖縄。
デザインマンホールやゲスポロもいいんだけど、本業である下水道の普及にもっと力を入れて欲しいもんだと思わざるをえないこの事実でした。