沖縄の富士山は、危険の香り ~本部富士登頂~

2018年02月22日 00:09

 読者のみなさん、こんにちは。
 まずは、週末のお詫びを・・・。
 2/18(日)のおきなわマラソンですが、実はエイドを一緒にする予定だった友達が仕事や風邪で行けなくなってしまい、コスプレエイドを実施できませんでした。
 探してくださった方もいらっしゃったようで、本当に申し訳ありませんでした・・・。

 結局、当日はフィアンセといとこが出走する友達と一緒に、時間を見ながら場所を変えて応援してました。長くいたのは結局4kmと18km地点の辺り。



一度も見なかった方もいれば、2回声かけた方もいました。3年前はエルサだったおねぇ?さま

 チョコを400g相当とウィダーインを4個渡して、今回の応援は終了。
 次回のNAHAマラソンは、絶対にリベンジしてやる・・・絶対ですよ!!!


 さて。
 おきなわマラソンの数日前。
 自然が大好き!という職場のメンバーと牧志の千ベロで飲んでいた時のこと。



コスパ最高日本酒千ベロ。日本酒スキーに、ぜひ。。

ぐっち「牧さんは山登るみたいだけど、どこが好き?」

牧「そうですね、やっぱり嘉津宇岳ですかね。」





牧「あの360℃の見晴らし!北は与論島から南は知念岬(南城市)までの眺望!そしてなんといっても沖縄の島が地図と同じ形に見えるところ!本島ではベスト・オブ・登山ビューですよ!」

誰か「本島最高峰の与那覇岳は・・・」




ぐっち・牧「眺望ないから、あれはない。」 
(与那覇岳については、過去記事参照)

牧「そんなぐっちさんのおススメはどこですか?」

ぐっち「オレ?オレは絶対に本部富士!あまり高くないけど海が近くて、瀬底島や伊江島がよく見えて・・・絶対本部富士ですね!」

牧「確かに本部富士は登ったことないけど・・・絶対嘉津宇岳だと思うけどなぁ。。」

ぐっち「嘉津宇岳も登ったことあるけど・・・う~~ん・・・やっぱ本部富士!」


ぐっち・牧「絶対こっちがいいって!!」


 気づけばきのこ・たけのこ戦争ばりに嘉津宇岳・本部富士戦争が大勃発。
 ぐっちは両方経験した上での発言だけど、私は本部富士未経験なので気持ちは嘉津宇だけに軍配上がってるけど攻めきれることも出来ず、両者、膠着状態へ。

 ちょうどこの週末、日曜日(おきなわマラソンの日)は山に行こうという話になっていたので、この争いの勃発と共に行き先は自動的に本部富士に決定したのでした。


 2/18(日)、おきなわマラソンの応援を終えてそのまま北部まで一直線。
 嘉津宇岳は美ら海水族館に向かう国道449号線から大きく標識が出ているものの、本部富士に向かうには道端の目印だけではたどり着けません。以下に登山口を示しておきましょう。




 しかし・・・これを読んで「行ってみたい!」と思う人は果たしてどれほどいることか・・・。



とりあえず、本部富士の登山口に到着

 グーグルマップ上の登山口に到着したものの、何の表示もないため一瞬不安になります。
 手元にあった登山のお供、「沖縄の山」に載っている登山口の写真と検証を行い、80%ほどの確証を得て、歩いて行くことにしました。

 が。

牧「あっ、グローブ忘れた」 

 グローブはトレッキングのよき相棒。樹を掴み、岩場に触れることも多いトレッキングにおいて、虫やケガから身を守る必須アイテムです。
 しかし今朝はおきなわマラソンのことで頭がいっぱいで、山を歩く装備にまで気が回っていませんでした。
 まぁ、本によれば片道25分ということなので、危ない目に遭うことも少ないだろう・・・。




 登山口から入るとすぐに来山者を迎えてくれる看板。
 この看板によれば、ここを通れば目指す本部富士だけじゃなく周辺のいくつかの山に登れる・・ということなのかな?



山道に入り、足場のよい道を進むことわずか




 登山道に入って3分ほど歩を進めると、左手に「本部富士」の標識が。
 結構小さいので見逃す人がいるかもしれませんね、これは要注意!!

 この「本部富士」の標識に従って本道からそれて行きましょう。




 この本部富士に向かう道には、クワズイモもですがオオタニワタリがあちこちに自生しています。
 大量のオオタニワタリに目をやれば、この暖かな沖縄の冬の最中にちょこちょこと吹いている新芽たち。

 ・・・おまえら・・・うまそうだな・・・。



オオタニワタリの新芽といえば、やっぱりコレだよね

 石垣島に住んでた頃は居酒屋でよくオオタニワタリの天ぷらを食べていたので詰んで帰りたい気持ちにかられましたが、ここはぐっと我慢。
 というか、私は揚げ物をしないので(油が怖い)採ってもあの美味な天ぷらを食すことはできません・・・さようなら、目の前の愛しい食料たち・・・。

友人「牧さん、足場がけっこうすごいことに・・・。」

牧「?」


 オオタニワタリばかり見ていて先をゆく友人の背中を全く追っていませんでした。
 慌てて前方に駆け寄れば、




 結構すごい角度で岩場を登っている友人の姿。
 これまで嘉津宇を始め、安和岳、三角山、古巣岳と本部半島の山はいくつか歩いたことがありますが、こんな場所は初めてです。



振り返れば、そこはガレ場。

 足元は不安定、そして何より古くて硬い琉球石灰岩が鋭角な姿で誰かが手をついたり、倒れ込んでくるのを今か今かと待ち構えているようです。
 幸い友人も私も田舎育ちなので比較的こういった場所に慣れはあるんですが・・・・。


 足場が気になりすぎて、周囲の景色見てるどころじゃないわ。。



足元か進行方向しか目に入らないよ本部富士に向かう道

 たまに小さくバランスを崩しては岩場に触れ、「あいててて・・・」と小さくつぶやくこと、数回。
 万が一つるりとこけてしまえば、そのまま鋭角な岩に刺さりそうで全く気が気ではありません。
 この道歩くのにかなり必死だったせいか、気づけば全然写真撮ってないことにこれ書きながら気づきました。。なんてこった。

 登山道に足を踏み入れて、約20分。



山頂到着!!

 標高240m、本部富士に登頂しました。




 おお、確かにぐっちの言うように、嘉津宇岳と比べて海が近いし、より北側にあるせいで伊江島も大きく見えますね。




 ただ、標高が低いせいで嘉津宇岳のように360℃視界が広がっているというわけではありません。南と東は山に阻まれその先は見えず。標高が200m以上違うのでこの差は当然ですが、やっぱりぐるりと島を一望できる嘉津宇岳の方が私は好みかな?

??「君たち、ここは山頂じゃないよ。」





 私たちが浮かれてはしゃいでいると、先に山頂に到着していた男性が声をかけてきました。

男性「あっちに三角点があるから、あっちが山頂だね」




こんなガレ山だから二度目があるか分からないし、行っておくか



三角点に到着

 足元見て下さい。
 山頂と勘違いした地点からずっとこんな調子です。足元が地面にべったり着く暇、一切ありません。
 ほんとこの本部富士は、気が抜けない山ですよ。

 ところで、




 本日、2/18の最高気温、23℃。
 2月も後半に入ったばかり。
 男性もそうですが、寒がりの私だってこんな薄着で山遊びが楽しめるという沖縄の温暖な冬。
 今年は沖縄も例年より寒い日が多いではありますが、内地の極寒の地からすれば羨ましいの一言なんじゃないでしょうか?

友人「あれ見て!」




視線の先には美ら海のエメラルドビーチと備瀬のフクギ並木があるあたり

牧「リーフエッジがくっきり出てる!歩いて渡れそう、いつか渡ってみたいね!!」


 どなたか大潮のド干潮狙って歩いてみませんか?



さて、またここを歩いて帰るか・・・

 登りはまだいい。この山、帰りは一層危険です。
 やっぱりフラフラとあちこちに手をついて下山した結果、



※イメージです

 すっかりガレ場を過ぎ去った後に、手に残っていたのは沢山の傷。
 今日こそグローブが必要な日だったんだなぁと深くため息が出ると同時に、与那覇岳と同じく、しばらくは登らないと強く心に誓った本部富士でした。



 休みが明けて、後日。(以下メールでのやりとり)

牧「ぐっちさん、本部富士登ってみましたけど足場がひどくて周りの風景どころじゃなかったですよ。よくも勧めてくれましたね。」

ぐっち「確かに足場は尖った石灰岩なのでこけたら流血は免れませんもんね 笑」


 いやいやいや、「笑」じゃないからね!
 この人はほんとに!!
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