週中コラム ~沖縄の魚は本当に美味しくないのか?~

2014年04月24日 23:34

 ・・・水に引き続き、また沖縄の『美味しくない』を盛大にPR・・・か。

 いやね、沖縄のことは好きですよ?以前の記事に、『約束の地』なんて恥ずかしいことも堂々と言い放ったじゃないですか。万が一、この地が他国の標的になってしまうとしても、ここで骨を埋めたいと思える程には好きなんですよ。

 でも、事実は事実として、声高らかに言い放ちたい。
 沖縄の魚よ。今まで確かに美味しいと思えたのは、アカマチとオコゼ類くらいやぞ。

深海魚、アカマチ。刺身が美味。実は推定寿命65歳と長寿な魚なのだ。

 どうした、沖縄の魚。なぜそろいもそろって美味しくないんだ。

 ただし。
 沖縄の水(水道水に限る)のまずさは、もう救いようないな~と思ってるんですが。
 今回の話は、ちょっぴり趣旨が違います。
 というわけで、今回の週中コラムは、「沖縄の魚は本当に美味しくないのか?」です。


 8年前、沖縄に住み始めた頃。
 平和通り近くの小汚い食堂で定食を頼んだ際、付け合わせで出てきたマグロの刺身を食べた瞬間の衝撃は、今でも忘れることはできません。
 何が衝撃かって。

 噛みごたえ、ゼロ。

 味わい、とんでる。

 ・・・なんぞ、これ。
 
 なんのためのマグロなのか一切分からないほど、マグロのよさのないマグロだったのです。むしろ、人造的につくられた魚肉もどきか何かではと、本気で疑う私。
 これなら私の苦手とする光モノの方がはるかにマシだと、そう思えたほどでした。
 この食事の時に、沖縄の魚は美味しくないのではないかという疑問が生まれたのです。


ただし、BBQなら鑑賞用魚に近いツバメウオだって美味しく感じる不思議。

 その思いはほぼ的中し、その後どの店、居酒屋で食べた沖縄の魚も、そろって肉がだらしなく弛んだような、しまりのない味わいばかりでした。(だからイカやタコ、サーモンを狙い撃ち)


美味しく食べたいならびーちぱーりーでBBQ。

 一度、沖縄生まれ、沖縄育ちの友達に、魚を筆頭に沖縄の食事がまずいと理論的に語ったことがあったのですが、普段は温厚な彼がマジ切れしてしまいました。
 もちろん、私が悪いのは火を見るより明らかですよね。何と言ったのか今はもう覚えていないのですが、聡明な彼が理論的に反撃できなかった姿が印象的だったのを覚えています。
 つまり、そういうことなのだと。


最高に危険だが、その危険を冒してでも一度は食べたい、美味なるオニダルマオコゼ。ナイフで捕獲。

 そこで、私は一つの仮説を立ててみました。
 沖縄の魚が美味しくない理由は、なんだ。

 沖縄の海は、温かい。
 沖縄の魚は、年中温かな海にいる。
 かたや、北海道の魚は美味しい。それは恐らく、冷たい水にさらされて、筋肉が刺激を受け、引き締まるからだ。そして脂がのる。
 沖縄の魚は年中温かな海でゆるゆる生きているため、身肉がたるんでいるのだろう。
 つまり、そもそも沖縄の海にいる時点で、魚が美味しくなくなってしまうのだと!!
 そう思った頃から、

「年中温かく、身が縮むような寒さにさらされる機会のない人間の筋肉だって、きっとだらしなく弛んでしまってるんだろな。沖縄に何年も住んでる自分だって例外ではないだろう!」

 なんてことを人に言いふらしておりました。
 数年はこの仮説を信じてましたね。 


観光客用に居酒屋によくあるイラブチャー。ぐにゅっとしていて美味しいと思ったためしなし!

 しかし、ここで疑問が出てきます。

 沖縄の海で漁をしているのは、沖縄の民だけではありません。
 鹿児島、宮崎、高知・・・それ以外にも、はるばる遠くから沖縄にカツオやマグロ、その他を狙って大きな船がやってくるという事実があるのです。

 そしてもう一つ。
 沖縄在住のみなさん、このセリフ聞いたことありませんか?

「いい魚は全部東京に行っちゃうんだよ。あっちの方が高く買ってくれるから。だから沖縄には美味しい魚が出回らないんだよね」

 つまり、沖縄でも東京で高価に取引される美味しい魚が獲れるってことです!
 ということは、沖縄の海にいる魚はマズイ説は根底から覆る・・・じゃあ何が理由なんだろう??


美味しいは美味しいが、小骨が多く処理が大変なウツボ。2度と捕りません。

 実はこの数か月の間に、その答えらしきものを得る機会がありましたので、ご紹介します。


その1.沖縄の漁船が小さい。
 これだけでは意味が分かりませんね。順を追って説明します。
 沖縄まで漁に来る宮崎や高知の船は、船体が大きく、装備が充実しています。魚が獲れたら急速冷凍するための巨大な冷凍庫が完備されており、いっぱいになるまで漁をして帰るそうです。捕れたばかりを急速冷凍するから鮮度が保たれたまま、港まで届けられるんですね。
 一方、沖縄の船は、小さなものがほとんど。冷凍庫はなく、昔ながらの氷を詰めての出漁です。小さな船とは言っても、1度海に出れば3~4日、長いと1週間ほど帰ってはきません。いくら氷を詰めたところで、魚の鮮度を保つにも限界があるというものです。
 というわけで、まずは海の上で鮮度に差が出ます、そして・・・・。

その2.氷を打て。
 沖縄で魚類研究の第一人者と言われる先生とお話する機会があったのですが、その時聞いた話に、あらびっくり。
 漁から帰ってきた魚はセリ市場に並べられます。普通、セリに魚を並べる時には鮮度を保つため氷を打つそうなのですが・・・沖縄の市場では、それがないんだとか。氷を打たず、市場に並ぶ魚。それに、沖縄の温かな気温もぐいぐい鮮度を奪うことに貢献してくれます!

 というわけで、海の上のみならず、陸の上でも差をつけられている、と。そういうことらしいのです。


最近、養殖用に注目されているタマカイ。コスパがいいらしい(笑)

 ただし、全部が全部そうというわけではなく、船の装備と、陸揚げされてからの扱いによるので、同じ魚でも差が大きい、ということを付け加えておきます。当たり外れがあるということですね。
 ・・でもな~~・・これまでの経験からすると、圧倒的に差をつけられた魚のほうが多い気がするんですけど・・・装備のよい船で取られた黒ダイヤなんかは築地に行っちゃうんでしょうね~。残念。

 今、思い出した。



 先日久米島に行ったとき、何気に写してたこの1枚。
 沖縄の漁民もやっと鮮度に気を遣うことに目覚めたのでしょうか、こんなものが造られていました。まだまだ、内地の魚と鍔迫り合って競争するようになるのは先の話のようですね。

 というわけで、今日のまとめ。

沖縄で売られている島魚は、概ね美味しくないが、今後に期待。

 沖縄の漁師、あと漁協!
 地の不利はあるが、がんばれ~~~!!!


************************************************
4/29追記
お魚飼育の専門家から、チヌマン(テングハギ)は、冷やすと旨味が落ちるから、冷やさず食べた方がよいという情報を得ました。一部の沖縄の魚は、食べられる時のことまでも考えて進化したのか(笑)。面白いことだと思いました^^


関連記事