2017年記事初め、シェムリアップに恋をして ~後編~

2017年01月15日 18:00

 前編からの、続き。
 遺跡はだいたい前編で紹介したので概ね雰囲気伝わったんじゃないかと思います。後編は今生きる人たちの姿を見ていきたいと思います。

この車、何かがおかしい・・・!?

 シェムリアップの街を見渡していて最初に気になったのが、ナンバープレートのついていない車が結構な台数走っていること!当然ナンバープレートの掲示は法律で義務付けられています、日本だったら即捕獲ですよ。
 この疑問をガイドにぶつけてみたところ、カンボジアでは車の所有者が購入後にナンバーの申請をすることになっているので、購入して1か月くらいは見逃してもらえる、、、とのこと。「プレートの代わりにフロントガラスにナンバー書いた紙貼り付けてるから!」・・・って言ってたけど、ない車の方が多い。写真の車も、当然ない。この国の法律はザルなのか。。

 と思っていた矢先、ガイドがシートベルト締めてなくて警察に捕まって目の前で罰金払わされるというショッキングな事態に遭遇。参加者一同、ザワザワが止まりません。。
 どうやらこの国では些細な(?)違反は警察の気分次第・・・とも言えそうです。そら賄賂が横行するわけだわ・・・。



道路の真ん中で、危機管理能力ゼロわんこ発見

 観光の中心地を離れた途端、どこにでも犬がいるシェムリアップ。主に番犬、たまに食用。逆に猫はほとんど見かけない!
 街中はそれなりにアスファルトの敷かれたシェムリアップも、




 少し郊外に出ればこんな赤土だらけの道端ばかり。
 トゥクトゥクで移動した時には土埃が凄まじく、顔全面を濡れ布で覆いたい衝動に駆られるほどでした。
 しかも場所によっては、車を締め切って走っても土埃が車内に侵入してくる始末。そんな車のエンブレムは、大型バンなのになぜかベンツ。ベンツさんはバンとか出してるの?土埃が侵入するようなバンを。。

 土埃といえば、最終日の夜は奮発してちょっといいホテルに泊まりました。




 ほとんどホテルから出ずに快適に楽しもうと、まずはバスタブにお湯をためて疲労をとろうとひとしきりお湯に浸かる。
 その後、水を抜こうと栓を抜・・・・・?どうあがいてもバスタブの栓が抜けない。何か特別な仕掛けがあるんじゃないかと、お風呂半ばでバスルームを隈なく探しまくるもその気配なし。
 しょうがないので水の溜まり続けるバスタブで全身を洗い、しばらく経った後でバスタブに溜まった水に目をやると、水面が真っ赤になっていたんです!!
 1日外にいると、一体どれだけ赤土を被ることになるのかよ~~~く分かりました。

 ちなみにバスタブは、ホテルにヘルプしたところ何かの工具で原始的に栓をこじ開けて解決しました。
 高いホテル・・・だったハズなんだけどなぁ??



カンボジアのフルーツは沖縄では特に珍しくないものも多く、やはり既視感

 カンボジアの水道水は日本人の飲用には適してないので、生野菜は食べない、氷はダメ、箸は拭いて使う、等々ガイドブックには色々と書かれています。この危機感を煽る書きぶりは海外旅行レベル5ほどの私には大変恐ろしく映るものです。。
 しかし同じツアーに参加した女性が、結構大丈夫だよ~なんていうので、フレッシュフルーツジュース(氷使用)の屋台(上の写真)に挑戦してみました。



このサイズでわずか1ドル!なんてお得!!

 南国フルーツ2種類を自由に組み合わせられるこの屋台のジュースがもうたまらなく美味しい!!朝晩飲みたいってくらいに美味!
 恐れていたお腹も特に変調なく、滞在中にこのジュースをご飯代わりに3回もいただきました。
 そしてだいぶシェムリアップに慣れた年末最終日は、地元民しかいない店に単独突入。フォーが食べたくて、「黄色いスープのヌードル」と書かれた(多分)ものを注文したところ、




 予想を完全に裏切る形のモノが出てくるという結果にア然。
 スープは赤くて激辛だし、麺はインスタントだし、なんか大量に生の葉っぱついてくるし。食べ方わかんねーよ!!と思いつつ葉っぱを茎ごと食べているとウェイトレスに笑われ、葉っぱの部分だけちぎって食べるんだよ、と教えてもらいました。
 そんな感じでちょっと調子に乗って氷や生野菜を連続摂取したところ、後半からはなんだかお腹がユル~い感じに。やっぱ少なからず影響は、ある。。
 


トゥクトゥクは家族や生活物資を載せて運ぶ日常の足

 まぁトゥクトゥクは、分かる。
 それよりも、




 郊外では時速15kmほどの耕運機?のようなものに乗って一家全員で移動している姿なんかも見られる。遅くて不便そうだけど、どうやらこれ以外に足はないらしい。
 ガイドさんいわく、平民はトゥクトゥクやバイク、ちょっとお金がある人は車、もっとお金がある人はレクサスに乗ってる、、、ということだそうで、見渡す限り一番人気はトヨタ(特にカムリ)でした。さすが世界のトヨタ様だな。。
 そんな地元民の収入は、ただのドライバーなら80ドル/月、外国語ができるガイドなら130~150ドル/月ということで、日本と比べて相当低いのがよく分かる。ただし、彼らはバックやチップをもらっているので実際はもうちょっともらってるハズ。。




 ちなみに連日の遺跡巡りで足が象のようになってしまったためマッサージに行ったところ、価格は驚異の1時間4ドル!安すぎもたいがいか!!
 一体いくらで働かされているんだろうと考えるとあまりに可愛そうなので、チップ1ドルを渡してあげました。この経験は、働くこととは何かを見つめ直すきっかけに。

 ここからは、観光客ではなく一般庶民向けに売られているモノや市場の様子を紹介します。




 シェムリアップで最も巨大なマーケットで売られていた炊飯器。
 これは一体何年前に発売されていたタイプだろうか・・・こういったものもまだまだ途上国では需要があるってことですね。



今はもう消えてしまった農連市場でも似たような風景が見られたんじゃないかと。



著作権セーフのライン・・・か?



大量のバッグとほぼ同化してるけど、あんな小さな子どもが店番するんですよ!!



左下、生ける食材の大脱走劇。身をよじって必死で逃げようとしている様が印象的でした・・・



わぉ!!

 まぁ沖縄に住んでればそれなりに免疫のできる光景です。大丈夫、大丈夫・・・肉系でそんなには驚かないだろう・・・



ぐげぇぇ!!!

 これには別の意味で驚かされた、ハエを払いきれないからと、ハエ取り紙で対処している市場の様子。
 ねぇ、私たちの毎日の食事ってきっとあんな風に大量のハエにたかられた肉が使われているんだよねぇ。それでも大丈夫ってことなんだよねぇ・・・。



場所は変わって地元民御用達の清潔なスーパーへ

 鶏肉売る時に頭まで売るのがシェムリアップ流のよう。聞けば、多くはないけど頭をかじる人もいるんだとか。




 場所は変わって、こちらカンボジア最大の湖トンレサップ湖で水上生活をしている人たちの姿。
 トンレサップ湖は乾季では琵琶湖の3倍、雨季だと10倍と湖の広さがかなり変わってくるため、水上に浮かぶ家は自在に対応できるよう浮きとタイヤが取り付けられています。



こうして舟の商店が家々の軒先を回っている



優雅に湖クルーズ♪

 ・・・のように見えるかもしれませんが、実はこのトンレサップ湖、だいぶ臭う。。私は昔からトンレサップ湖を一度見てみたい、きっと巨大で緑豊かな美しく輝く湖なんだろうと勝手に妄想してたんですけど、実態は見てのとおりかなり茶色いし、生活排水のせいかかなり臭い。一度水がはねてリュックが濡れたんですが、濡れた部分が染みになってしまったんです。まぁ、、この染みを見ればカンボジアの旅を思い出すことができると前向きに考えることにしましょう!
 ・・・とはいえ、長年見てみたいと思っていた湖がまさかの汚水まみれとは・・・これはちょっと残念な結果でした。



2016年最後の日に、トンレサップ湖に沈むゆく夕陽が見られたのはよかった・・・かな?

 さて、新年のカウントダウンイベントがあるとのことで、旅先で出会った仲間とパブストリートという場所に行くことに。事前情報によると、「気持ち程度のイベントだよ」とのことだったのですが、、、




 ゲロ混みとはまさにこのことか。。
 もうとにかく人がすごい!!どこが気持ち程度だよ、ゲストハウスのテキトーなスタッフにテキトーなウソつかれた!!



我々9人は迷子にならないようムカデ戦法で移動することに。この場では結構誰でもやってるのが面白い

 そしてその時はやってくる・・・



HAPPY NEW YEAR 2017!!!!

 若いメンバーはこの人混みを楽しんでる様子でしたが、概ね30を超えるともうダメですね。私も人混みが不得手なのでグッタリガックリ。。は・・・はやく宿に横にならないと体がもたん・・・!

 しかし、年が明けたらこの旅最大のイベントが控えているんですよ、それは・・・



AM5:45

 カウントダウンを終えて一旦宿に帰り、起床したのはAM3:30。急ぎ準備して向かった先は、アンコールワット。
 そう、この旅最大のイベントにして、長年やりたいと思っていたこと・・・それこそ、アンコールワットからの初日の出を拝むこと、です。
 日中のアンコールワットはアジア人といえば大陸系が圧倒的で日本人は少数派だったのですが、この「初日の出」という習慣は日本に特有のもののようで、周囲から聞こえてくる言語は日本語が圧倒的優勢。日本人、初日の出好きなんだなぁ!かくいう私もだけどね!



AM5:52 短時間でだいぶ明るくなってきた



AM6:30 太陽が地平線近くまであがってきて、徐々に焼けゆく空

 そして、



AM6:47

 出た、ご来光!!ありがとう2017年の初日の出、アンコールワットからの初日の出!!
 こんな遠い地で感慨深い初日の出を拝むことができたんだから、きっと今年はいいことある・・・よね?

 初日の出の後は一緒にいたメンバーとは別れ、一人歩いて遺跡巡りをすることに。この旅では遺跡に溺れたいと思っていたので、最後の最後まで遺跡を味わい尽くします。




 ・・・とは言っても、旅でアドレナリンが出てるせいか連続2時間以上眠っていない毎日のおかげで、行く遺跡行く遺跡で居眠りする始末。
 「この正月はどうしてた?」って聞かれたら、「遺跡で寝正月だった」と胸を張って答えたいと思います。




 そんなこんなのシェムリアップでの旅もついに最終日を迎え、22:55発の飛行機に乗るために空港に向かったのですが・・・

 なんと、飛行機が延々とディレイ、ディレイと出発時間がどんどん後ろ倒しに。ほぼ1~2時間刻みでずれていくため、一旦空港から出ることもできず、結局人生初の空港泊を体験してしまいました。
 英語も喋れないのに初一人海外で初空港泊なんて、どれだけ心もとないことか・・・とも思ったのですが、この人生初の体験にアドレナリンという脳内麻薬が一層分泌され、空港泊そのものと人間観察を楽しむ余裕すらありました。私意外と神経図太いかもしれない。。

 登場待合の電気も消え、皆が思い思いに疲労した体を横たえて休んでいたのですが・・・

「◎#$%&’(○▽☓□!!!!」

 まだ電気のついていないAM3:30頃、突如中国語の罵声が響き渡りました。
 我慢のできない中国人が空港の清掃スタッフだか誰かを捕まえて文句を喚き散らした結果、その場の全員が目を覚ましてしまったのです。




 先日、北海道が大雪で飛行機が止まった時も中国人が暴れて大変だったそうですが、今回もやはり中国人。
 ガイドさんも、中国人と韓国人は煩いし要求が無茶苦茶だから彼らはとても嫌われている、日本人は節度があって本当にいいよ、とつくづく話をしてくれたのですが、全くもって同意したい気分になったものです。

 私はおもむろに、タブレットの英訳アプリを起動して、「うるさいよ中国人!騒いでもムダなんだから静かにしろ!!」と英訳して・・・・言葉を飲み込み静かにタブレットで宮沢賢治を読みふけったのでした。



空港の吉野家はまるでハンバーガーショップだった。日本人の私、大ショック!!

 結局飛行機が飛んだのは予定から10時間後のAM9:00。当初予定では上海のトランジットが9時間もあったため、多少のディレイは余裕だったのですが、これもう完全に間に合わない。仕事始め、大きなイベントの大事な役回りなのに絶対出勤できない。。
 涙目で職場の担当に連絡を入れたのですが、上海に到着してみればPM2.5のおかげでダイヤが混乱し、最終的には当初の予定から2時間遅れで那覇に帰ってくることができたのです。
 最後の最後の大ミラクル・・・ありがとう、私を恋させたシェムリアップの大地。


 というわけで、この年末年始の出来事でした。
 この数年くらい、複数の友達と「シェムリアップ行きたいね~」と話をしていたのですが、去る5月頃に「ごめん、一人で行ってきたわ(笑」とまさかの裏切りにあってしまったので、もう待ってたらこれ一生行ける気がしないと思いたち、9月の初めにお酒の勢いに任せてチケットを取ったんですけど、あの勢いに今では大変感謝しています。
 ちょっと遠い場所ではあるけど、まるでフォーリンラブのようなステキな気持ちを呼び起こしてくれたシェムリアップ。トラブルも多かったけど、新鮮な気持ちで色々と自らを見つめ直すきっかけにもなったシェムリアップ。
 とてもステキな年末年始でした。

 本当はもっと早くに書き上げたかったのですが、帰って早々風邪を引いたのと、年始2日間だけ出勤して伊平屋島に旅立ってしまったおかげで全く書く時間がありませんでした。すみません。今も風邪が治りきらずに土日はステキに引きこもりましたよ。
 そんなわけで、次は伊平屋島の話をしたいと思います。
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