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2014年09月08日

豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城

 先日一人酒をしながらどれだけ息が止まるか試してみたら、3分止まったと共に思考も止まりかけた牧です。どうもこんにちは。
 お風呂でブラックアウト(気絶)ってしに恥ずかしいと思ったことがあるんですが、リビングのソファーで一人窒息して気絶するのはそれ以上に恥ずかしいですよね。
 これからはムリしない程度に練習しようと思います。

 座間味から帰って来て1週間、家でも職場でも息止めの練習をしていたおかげで、日曜日は海に行く気満々でした。
 しかし、蓋を開けてみると日曜日、東の海上には台風、風は北西最大9m。
 具志頭城跡下も、大度海岸も完全にアウト。
 さて、こうなったら陸地で何をしよう・・・お腹を満たつつ作戦会議を開こうと、やってきたのはユーカリまえひら。

豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城
看板が緑に呑まれそうだ。


 ここはカフェなのに、なぜかフールこと豚便所が備わっている。
 最近やたら縁があるなぁ、フール・・・。


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城


 最近フール見すぎて、一度でいいから本物のフールで用を足してみたいという静かな欲求が首をもたげてきています。
 もし現役フールの情報があれば、ぜひ提供してくださいお待ちしております。。


 カフェでの審議の結果、向かった先はこちら。


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城


 豊見城市中央図書館に併設されている、豊見城市歴史民俗資料展示室!
 ちょっと前から気になってたんですよ。友人やうの興味にも触れてくれてよかった。

 展示室入り口で私たちを出迎えてくれたもの、それは・・・


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城
サトウキビから汁を搾り取る搾汁機、サーターグルマ。

 そして、

豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城
魚雷。

 魚雷!!

 平成9年に字宜保の旧海軍部隊格納壕跡地から発見されたこの魚雷。戦争後相当の時間が経っており、錆びて所々穴が空いているにも関わらず、十分な耐久性がありそうな雰囲気。
 幼い頃、祖父に聞いた人間魚雷(神風特攻隊の海版)の話を思い出してゾッとした。が、多分この太さだと人は入れないだろうな。


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城


 展示室内。ありがちな狭くてごちゃっとした感じもなく、結構ゆとりがある。というか、余った会議室を展示室にしただろ。
 しかし、お客は私と友人やうの2人だけだ。駐車場待ちしたほど人がいたのに、みんなどこにいるんだ?図書館か??

 2月に訪れた具志頭歴史民俗資料館は展示の半分以上が港川人関連だったんですが、こちらは戦時中以降のものがほとんど。
 戦争に関する負の遺産もかなり多くありますが、それ以外の展示も興味深いものがあります。
 それでは行ってみましょう!


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城
『うす毛の人試みよ』!!


 でオチ感が否めませんが・・・・。
 左側は、はげ抜毛の人用の育毛剤こと、『毛生液』の広告。
 そして右に並ぶは、毛深い人のための広告。毛が抜ける薬か、脱毛屋なのかは分からない。
 はげ抜け毛は世が変わっても悩みのタネの一つなんでしょうけど、毛深い人への広告って、ちょっと沖縄特有の香りがしませんか?
 大学生の頃、胸に鷲を飼ってる後輩が、私の顔を掴んで自らの胸に擦り付けたことがありました。今思えば、鷲の翼を引きちぎって逃走しておけばよかった。。


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城
陳列されているものが比較的新しい。


やう「この電話、つい最近まで使ってたよぉ。私たちが現役で使ってたものも、いつかこうして展示されていくんだろうねぇ」

 それなりに見たことがあるものばかりの中でも、私の気を引くものがありました。


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城
初めまして、こんにちは。


 ・・・見たことない。これがバリカンなのか??
 にぎにぎしてじっと見つめてみると、小さな刃がすっと横にスライドするのが見て取れる。なるほどこれがバリカンの原点か・・・と感心していると、

やう「懐かし~、これ見たことあるよぉ」


 やうは私の3つ年上。
 3つだと世代的な差ってほとんど感じないんですが、これ絶対に世代というだけじゃなくて、育った土地の要素がでかそう。(やうは浦添。私は高知。還暦の母もこのバリカンを知らないらしい)
 読者のみなさんは、このバリカンを何年前に見たことがあるでしょうか??


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城


 戦後にしては上等な布でかわいらしくデザインされたワンピ-ス。しかし、あまりに上等な布すぎて逆に違和感・・・と思ったら。


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城


 なんと、米兵の軍服を再利用して作られていた!!こりゃすごいわ、当時の人も考えたもんだ!
 こういった当時のリサイクル品は他にもあって、


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城
村芝居の衣装。

Q.何をリサイクルして作られた衣装でしょう?
A.米軍のテントカバー
(←反転)

 またこれも、当時必死に生きていた人々の知恵の結晶だということだ。。


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城
これも全てリサイクル品。

Q.何をリサイクルして作られた調理器具、その他でしょう?
A.飛行機
(←反転)

 そういえばシンメーナービも、戦後は飛行機、つまりジュラルミンで作られていました。
 人の生命を奪っていたものが、人の命を繋ぐ手助けをする道具に生まれ変わるなんて、なんとも言えない気持ちになります。。
 ・・・まぁ、ウ○コで育てた豚を食べるフールのシステムの方が、『リサイクル』という観点からすると衝撃がでかかったんですけどね。


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城
何の変哲もない?グラス。

Q.何をリサイクルして作られたグラスでしょう?
A.コーラの空き瓶
(←反転)

 コレが登場した頃って戦後それなりに時間が経った頃なのでは。グラスって高級品だったの?謎。


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城
昔々の殺虫スプレー。


 風船用の空気入れのような殺虫スプレー。
 殺虫剤王手のアース製薬の初期型か?とりあえず、ハエの絵がでかくてリアルで気持ち悪い。。


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城


 こちらは『サバキナ』という丘陵に掘られた壕。
 教育委員会は『戦争遺跡』として保存したかったそうだが、地元の人たちは壕の前にある道路拡張を望んだため、今はなくなってしまっています。
 この拡張工事の前に発掘調査がされたんですが、ちょっと紹介します。


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城


 壕を上から切り取ったそうです。どうせ保存しないからってことで、なんだかやりたい放題。
 壕にしてはあまり深くないので、少しだけ身を隠すように造られたのか。
 人間というより、動物か何かの営巣地みたいだなぁと思ったんですけど、

やう「アリの巣みたいだねー」

 私はそこまで思ってなかったよ?


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城
湯呑と鍾乳石のコラボレーション in サバキナ


 沖縄の鍾乳石は、他県と比べて成長が早いそうです。間違いなく、水に溶けてる石灰分が多いせいでしょうけど・・・それでも沖縄の鍾乳石の成長スピードは、3年で1mm。
 湯呑がこの姿になるまで一体どれだけの時間がかかったんでしょうか??


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城


 身を隠すだけかと思ったら、違ってた。
 あの狭い壕で生活してた痕跡が生々しく感じられます。


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城


 この資料館のいいところは、触ることのできる展示品がそこそこあることだ。
 さっきの原始的なバリカンといい、この砲弾の破片といい、触れることで初めて分かることってありますからね。
 ええ、もちろん、持ちますよ。

 ・・・。


 ・・・・・・想像以上に重い・・・。


 沖縄戦で展開された血で血を洗う戦の有様は、『鉄の暴風』と呼ばれた。無差別に多量の砲弾が撃ち込まれるさまを暴風にたとえたものだが、考えてみれば砲弾が飛んでくるだけじゃない。砲弾が砕けた破片だって、飛べば十分すぎる凶器となりうるのだ。
 そう、この破片が、こんな感じで飛んで来れば・・・
 

豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城

 確かに、生きているはずがない。。


 というか、これだけで頭吹き飛ぶわ。
 ・・・あっ、鳥肌たった・・・。。

 平和を謳歌してる私たち現代人ですが、冷静に考えると先の戦が終わったのはたった70年前なんですよね。だいたい私の人生の2倍。そう考えると、ほんのちょっと前の話です。
 瞬きのようにすぐ振り返れるほど直近の時代にこんなに恐ろしいことが起こっていたなんて、考えただけで心の中から冷たい恐怖心が湧きあがってきたような気がしました。

 負の遺産の一角を抜けると、一気に現代の色が濃くなってきます。

豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城

 アメリカ統治下時代のパスポート。
 大きいと迫力あってカッコいいけど、デカすぎて邪魔ですね。

豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城
よくある旗頭。

 旗頭の中心に描かれたものが気になる・・・。


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城

 む か で

 もしこの記事を見ている方で、この旗頭の字の方がいたら本当にごめんなさい。
 私はゲジとかムカデとか、多足の節足動物が大嫌いです。のたうち回ってる姿とか見ると、吐き気をもようしてしまいます。。
 なので、いくらムカデが絶対に後ろに引き下がらないことから勇猛さの証とされているとしても、いい気分にはなれません。。武田の武将じゃないんだから・・・。
 ・・・勇猛さというのであれば、やっぱ鷹とか雄獅子がいいなぁ。

 最後に、こちらを紹介しましょう。

豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城

豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城

 生まれて、死んだその後まで、一生を超える人間の通過儀礼や祝い、葬送等行事の数々。
 写真で確認できるだけで29もある。
 ちなみにこれで全部じゃなかったりする。。

 沖縄、行事多すぎ。。

 多い多いとは言われていても、こうして視覚化するとその多さに開いた口がふさがりません。
 現代のうちなーんちゅもこういった行事を全て行うんでしょうか??
 地縁も濃ければ、そりゃ行事・付き合いのために借金する人もいるわな、と納得せざるをえません。。
 地域行事が生活を圧迫する地、それも沖縄の一つの側面なのです・・・そうなんですよ!私はこの目で見て来たのだからね!!


豊見城市歴史民俗資料展示室で、見る触る豊見城
豚肉を吊るす儀式の図。なんだか矛盾くん。


 そんなに広くはない資料館ですが、気づけばたっぷり50分もまじまじと観察・堪能してしまいました。。
 いや~~、非常に興味深かった!
 そして私たち二人が見てる間、私たちの他に誰もお客さんこなかった!!
 ちょっ・・ちょっと。なかなかいい資料揃ってるんだから、もっと有効活用しようよ地元民!?
 あなたたちが見ていかないと、こうしてよそ者の知識になる一方ですよ?

 さて、今回どうして豊見城市を取り上げたかと言うと、この日の前日、土曜日に、豊見城市役所の職員を対象にした研修の助手をしたんですが、研修の先生が私のサイトの情報を研修生にバラまいたからです。
 そうそう。
 たんなる豊見城フィーチャーのご機嫌とり(笑


 ・・・ウソですよ?ふふふっ。。


豊見城市歴史民俗資料展示室
場所:豊見城市字伊良波392番地 (豊見城市立 中央図書館1階)
開室時間: 9:00~17:00(火曜日~日曜日)
入場料:無料
HPはこちら


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この記事へのコメント
手動バリカンは、小学校あがる頃まで近所にあった床屋の職人気質オヤジが使ってましたよ。もちろん俺も刈り上げされてました。その後オヤジが隠居し二代目からは、電動バリカンを使ってたけど・・・
噴霧器は、殺虫剤を撒くお役から退役した物に水を入れてシュッシューと楽しいオモチャだったよ。
昭和40年頃の東京下町亀有での懐かしい思い出です。
Posted by 庚子(かのえね) at 2014年09月09日 12:49
豊見城に実家があるので図書館と合わせてよく通ってました。入り口の魚雷は外に置きっ放しなので夜通るとかなり怖いです。

海軍壕もあるからか戦争関連の話題は子供の頃から身近に感じていました。

あの資料室は確かに来館者が少ないので1人で行くと薄気味悪かったのを思い出しました。懐かしい。
Posted by はまぼん at 2014年09月09日 17:17
> 庚子(かのえね)さん
東京でも手動バリカンや殺虫剤あったんですね。
庚子(かのえね)さんの世代にとっては、知らないものというより、どれも懐かしいものばかり、ということでしょうか?

>はまぼんさん
実家が豊見城なんですね!
確かに魚雷は昼間だからいいけど、夜は不気味かもしれません・・・。豊見城は海軍壕公園もあるし、他地域と比べても戦争に関するものは身近だったんでしょうね。
ここは豊見城を代表する資料館と言えそうです!
Posted by  牧 at 2014年09月09日 23:21
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