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2014年01月15日

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~

前編からの続き。

 小雨ぱらつく寒空の下、エイサーを堪能した我々は、海沿いをロワジール方面に向かって歩きます。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
ルートはこんな感じ。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
波模様の貯水タンク。海沿いだから?隣に同じものが建設中。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~

 振り返って、来た道をパシャリ。妙な形の建物だなぁと思ったら、うみそらトンネルの換気塔とのこと。さっき展望台って書いてあったけど、入れるのでしょうか?

 ここで本日、私が最も興味を引かれたものを紹介しましょう。
 団体の最後尾を歩きながら、とにかく色んなものに視線を配っていた私。何気なく海面を見ていると、なにやら動きのおかしな箇所があります・・・。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
沖縄で渦潮だと!?

「この近くに下水処理施設がありまして、処理された下水がここから海に還ってるんですよ。一部は再生水として植物に散布されたりもするんですけどね」

 なんと、那覇市の汚水はこの近辺で処理され、まさにここから自然に戻っている・・・こんな場面にかち合ったのは生まれて初めてです。
 そして、私の鼻は間違いなく異質な臭いを嗅ぎ取りました。処理はされても、臭いを完全に消すことはできないようですね。夏場潜ったら、夜光虫天国だったりして。

 約1kmの海沿い散歩の終着点、それは・・・

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
沖縄のお台場こと、三重城。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
かつての国の守りどころは、今は神聖な場所に様変わり。なぜだ。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
ここで、ロワジールで講演を下さった嘉数氏登場。

「先ほどの説明のとおり、ここは国を守る要でした。砲台があったのはここ三重城だけでなく、海を挟んで反対側にある屋良座森城の2箇所です。」

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
屋良座森城から、三重城に向かっての写真。戦前のもの。

「残念ながら屋良座森城は今は跡形もなくなり、はっきりあった場所が分からなくなっていますが、出来たのは1554年です。反対に三重城ははっきりわかっていないのですが、『三重城』の元の字が『新(みー)城』であることから、1554年より後ではないかと推測されます。」

 なるほど。ところでですね。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~

 正面入口の鳥居や看板、それに今周囲で行われていることと言い、現在の三重城はどうみても守りの要ではなく御嶽ですが。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~

「昔、祖先が離島から来た人たちは、祖先の生まれた地で16日祭(あの世の正月)を祝うことが出来なくて。だからここに来て、遥か彼方の祖先の故郷に向かって、16日の行事をしているんです。もう少しで旧暦1月16日ですが、その時はものすごい混雑します。」

 16日祭は本島より離島の方が盛んです。石垣に住んでた頃、16日祭で休みを取ってる方をちらほら見かけました。遠く離れて本島に住んでいるとは言え、祖先の風習を大切にする心をしっかり持ってるんですね・・・。

 ここで、三重城は終了。バスに乗って、次なる場所に移動です!

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
うみそらトンネルを抜けたそこは・・・

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
空港側の換気塔でした。

 とにかく時間が押し押しなので、なんの説明もなくとっとと連れて行かれます。
「5分くらい見学の時間あるから」
って、短いわ!!

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
鏡水(かがんじ)タワーと言うらしい。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
展望室のある4階へ。靴を脱いで、いざ!

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
説明のボードやらがあるが、5分と言われれば景色を取るでしょ。通過。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
三重城方面。ガラス張りのおかげで視界は約300度。眺望は抜群!天気だけが、憎きものよ。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
空港側。広がる海より何気にこっちの方が好み。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
展望台というより、どこかの美術館にいるかのような雰囲気。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
よく見ると、この展望台の通路は「4」の造りになっていたのです!大きな発見にこどもさながらの歓喜♪他の階も同じなのか?

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
1階。そんなことはなかった。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~

 実はこの建物で気になっていることがあります。
 建物の内外を覆っている、一見琉球石灰岩のようなこの物質。手の甲でコンコンと叩くと、非常に軽い感覚で、音がよく響く感じがします。
 我が家のエントランスも似たような物質で覆われているのですが、

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~

こちらは硬い。家のものは琉球石灰岩造り。じゃあよく似たこのタワーを覆っているものは・・・?
 警備員さんがいたので、遠慮なく捕獲です。

「これはトラバーチンと言って、沖縄では伝統的な造りだよ。琉球石灰岩を薄い板状に切り出したもので全体を覆っているんだ。」

 ・・・正直、納得がいきません。ここの琉球石灰岩なるものは、我が家のものと明らかに比重が違います。それとも、同じ琉球石灰岩でもここまで比重の違うものが自然下で出来るのでしょうか?また一つ、謎が生まれてしまいました。謎が謎を呼ぶとはまさにこのことか。

 時間がなかったため、ガイドさんがバス内で軽くタワーの説明をしてくれました。この展望室は一般入場は不可で、今回特別に開放してもらったのだそうです。うん、こういう話を聞くと、誘惑に負けず参加した甲斐があったなって思えますね!

 時間調整のため、短い昼食をネストホテル(旧ポートホテル)でいただきます。もちろん、無料です!お金かけてんなぁ。一括交付金が・・
 午後は、母親が楽しみにしていたオルカ号に乗船!

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
これを頭に入れてなかった私は、うっかり3回もおかわり。天候はやや荒れ模様。死ねる。

 オルカ号は、ウェストマリン所有の大型水中観光船。海水面下の1階からは、海中の風景を堪能することが出来ます。普通に乗ったら3,000円からです。一括(以下略)・・。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
波の影響を考慮して、下に移動。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
楽しみだけど、とにかく風が寒くて。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
三重城。煙があがっているけどウチカビを燃やしているのか??

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
那覇新港のクレーン。私は『キリン』と呼んでいる。

 安全性を考慮して、今回は防波堤(通称『一文字』)の内側のポイントへ。
 船を波間に滑らせ約15分後。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
ついに、海面下への扉が開かれる・・・。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
青い!

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
そしてなんも見えん!!

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
と思ったら、徐々に風景が鮮明になってまいりました。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~

 海中の風景は、ほとんどがソフトコーラルとたまにヤギ類。その全てはハードコーラルの屍の上に形成されていました。
 かつてはこの海域はハードコーラルが群生していたようですが、何らかの原因でハードコーラルには生息が難しい環境となっているようです。たまにちょびちょび見られる小さな枝サンゴ、テーブル珊瑚も、その命はまさに風前の灯。
 魚はスズメダイ、チョウチョウウオ、ブダイの仲間が見られますがサイズはどれも小さめ。たまに出てくるイソギンチャクとクマノミの組み合わせが観客を沸かせます。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
なんだかシュール。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
10分ほどの海中散策を終え、またデッキに戻ります。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
やたら派手な靴を履いていると思ったら、納得の台湾人。

 実は、ランチの終わり頃から体調が下り気味だったのですが、この時は今にも崩れ落ちんばかりにガクガクになってました。まだプログラムは残っていますが、もう微塵も自由にならないため、オルカ号下船後、脱落の意思表示をしました(母親が)。

那覇ベイエリアの昔と今を見つめて ~那覇みなとま~い後編~
離脱。本当に、すみません・・・。

 というわけで、那覇みなとま~いはここで終了。ナハ・シーパライダス協議会の方々、那覇まちま~いガイドさん、本当にありがとうございました。無料で非常においしいイベントでした。


 今回那覇のベイエリアを散策してみて、僅かではありますが港町としての那覇の歴史を知る機会となりました。
 那覇は日本と中国と、海を通じて貿易し物資の流通があり、海を通じて人の行き来があり、また海を通じて文化の往来があり・・・。今日訪れた見た福州園、孔子廟、袋中上人、エイサー、三重城は、全て海を通じた沖縄の歴史の遺物であり、今後の沖縄を形づくって行く上で忘れることの出来ない、欠かすことの出来ないものたちなのでしょうね。

 そんな那覇のベイエリアは、これからも進化し続けています。世界を股に駆ける大型豪華客船用の大型旅客船パース造成、空港から読谷までを結ぶ海上道路計画、そして那覇第2滑走路の整備・・・。

 賛否両論色々あるかもしれませんが、日本と東アジアのハブとしての沖縄がますます重要視されているこの時代、那覇のベイエリアが東アジアに及ぼす影響と力は、間違いなく世界の注目を引くものとなるでしょう。

 うん。
 そのうち、天気のいい日にまた今日のコースを辿ってみよう!



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