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2014年10月10日

うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~

 前編の、続き。



ダブン!


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
まるで親猫に首根っこを掴まれた子猫のようだ。


 実は海辺でダイブ直前のレクチャーを受けている最中、何度もバランスを崩しては海中でバタバタもがいたので信用を失ったのかもしれません。終始首根っこ掴まれてました。
 フィンキックのレクチャーも受けましたが、もうどうでもよい。このまま荷物のように運んで行ってもらいましょう。

うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~

うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~

うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~

うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~


 ここで主に見られるのはソフトコーラルのようですね。各種ソフトコーラルが随所に咲き乱れています。


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
威嚇して突進してくるよ、この魚。ホルモンバランスの乱れが原因かな。


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
魚群の舞う姿まで!


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
あ、ハードコーラル発見!!


 この一角は、市街地の海中には珍しい枝サンゴが自生しており、この枝サンゴが密集している区域は保護区として立ち入り禁止を示すロープが張られています。
 以前、半潜水艇オルカ号でここからすぐ沖の海底を観察したことがあるのですが、ハードコーラルの類はほぼ絶滅していた印象があります。
 ここは、市街地の水では生息が難しいハードコーラルが生き残っている貴重な場所なんですね。

 そして、いよいよ・・・。


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
ついに来たぞ!


 待望の海底ポストがお目見えしました。
 青い海中にすっくとそびえ立つ赤いポスト。完全に別世界の光景です。


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
ポストの上に鎮座するシーサーがなんだか凛々しい。


 ついに、海底ポストに投函する時がやってきた。


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
行ってきます!


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
ハガキを・・・。


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
イン。


 ここは海中、無重力の世界。
 ハガキを投函したものの、しばらくは投函口付近でユラユラ漂ってました。もしかしたらポストに吐き出されるんじゃないかと思い、飲み込まれるまでジッと凝視・・・。


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
妹も、実家のばぁさまに。

 さて、ここからは通常見ることのできないハガキの行方を追っていきましょう!


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
加藤さんがポストの裏に回った。


「ポストに投函されたハガキを回収してるの、僕なんですよ。もちろん郵便局の職員がここに取りにくるわけじゃありません。」


 郵便局の方がここまで取りに来たらなんだかメルヘン☆・・・なんて、それは空想に過ぎなかったのです。「ダイバーが回収する」、これが現実。


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
数十秒前に投函したハガキがすぐ出て来た。


 ・・・って、うちらのハガキしか入ってない~!?


「実は昨日、ポストの清掃があって、その時回収しちゃったんですよ。だから今日は二人の分しか入ってなかったんだ。多い時には一日30~40枚は回収するよ!」


 だそうです。
 おぉん、一瞬びっくりしたじゃないですか。。

 さて先ほどから海中の写真を見て、ちょっと濁ってるんじゃないの?と思われた方もいるかもしれません。


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
ここは砂地なので、


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
バタバタすると・・・


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
モクモク


 ポストを前にステイする必要があるのに、私がバランスを崩してひっくり返ってバタバタしすぎたおかげで水が濁ってしまったんです。なので水が汚れているわけではありません!
 海中の様子と透明度は、だいたいこんな感じです。



もう一言添えると、今日は曇りだったのよね・・・。


 最後に案内されたのがこちら。


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~


 ここではサンゴの植え付けを行っています。サンゴの協力金500円の一部がこのサンゴ再生事業に使用されているということですね。大きく育ちますように・・・。


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~


 人生初スキューバが終わって安堵と達成感。しかし十数キロに及ぶウェットと機材、吸った水が残り少ない体力をガンガンに奪います。やっぱ私は素潜りがいいな・・・。


「普通、女性のお客さんならその辺に器材置いて行ってもらうんだけど、どうする?」

―全然平気です、何事も経験なので、最後まで背負っていきます・・・。後にも先にも最後かもしれないから

・・・ゼィ、ゼィ、ゼィ・・・

妹「おねぇちゃん、大丈夫とか言いながら全然大丈夫そうじゃないんだけどww」


 なんとか無事、器材を背負ったまま管理事務所に戻ってこられました。
 はい、肝心なのはここからですね。
 回収されたハガキは、屋外のテーブルで海風にゆるりと乾かされた後、


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
きゅっ。。


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
ポン!


 加藤さんの手により記念スタンプが押されます。


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
さらに、加藤さんの手により貼られる切手。ここはせっかくだから、沖縄限定デザイン切手にするとかどうでしょう??


 「こうして発送準備の調ったハガキは、那覇市中央郵便局の窓口に持って行きます。そこで記念の消印が押されるんですよ。もし、このポストを利用する人が増えれば、波の上公園専用の消印を作ることもできるんです!コンスタントに1日50人くらいかな?だから利用者が増えるといいですね~。」


 公園専用の消印!これは実現してもらいたい!!きっとサンゴと魚のデザインになることでしょう。


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
記念スタンプは枝サンゴデフォルメ。


 さて、あとは加藤さんがこのハガキを郵便局に持って行って終了です。
 一連の流れを追ったので、少し加藤さんにインタビュータイム。


―そういえば、海にネットが張ってありましたけど。

「あれは夏限定、ハブクラゲ対策だよ。でも今年は一名、被害者が出た。そこでご飯食べてるインストラクターだからいいんだけどね(笑)
(*ハブクラゲネットはきちんと管理されていれば被害を防ぐ効果が大きく期待できますが、本体から分離した触手に触れてもケガをするため、100%安全というわけではありません)

「でも、そのうち通年ネットを張って、中にウミガメを飼ったりしてみたいな。お客さんもきっと喜ぶはずだし!」

―カメ見たい人はたくさんいますからね。ここで見られたらきっとびっくりしますよ!


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
右側が最初の話に出て来た絵本。小学4年生の男児2人がサンゴの大切さを学んでいくストーリー。加藤さん、男児の1人にショタ化して登場。


「そういえば、琉球放送の番組、島人ぬ宝にこの取組が紹介されて。僕、島人じゃないのに出させてもらったんです(笑」

―あはっ、いいじゃないですか!!そうえいば、これまで一番遠くに送られたハガキはどこまで行きましたか?

「海外に送られるものもありますよ!エアメールの場合は100円追加でいただいています。ただ、申告なしに投函されたものは送ることができないので、手元に残すことになってます。」

 だそうです。もしこれまでに申告なしで海外宛で投函してしまった方は、この事務所に残っていると思うので、問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?

―今後の事業展開について聞かせて下さい。

なんといっても、うちは知名度が低いから!那覇にこれだけサンゴが見られる海があることをもっと多くの人に知って欲しい。だから、広報にもっと力を入れていきたいですね。今回の取材がそのはずみになればいいなぁと思いますよ。」


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
海底にたたずむ獅子がたくさんの人を招いてくれますように・・・。


 最後に、管理事務所からお願いです。

「ここの海はダイビングとシュノーケル専用のビーチです。泳ぐことができるのは、事務所に登録している約130の事業者さんと事務所を通してのみなので、勝手に入ってはいけませんよ~?」


 加藤さん、公園管理事務所のみなさん。本日は大変ありがとうございました。
 よい思い出になりました・・。



 翌日。


うみそら公園の海底ポストに投函されたハガキを追え! ~後編~
×海中⇒○海底。ウッカリさん!


 仕事から帰ってくると、昨日投函したハガキが届いていました。
 ストレスも多い日常の中に、一瞬分け入ってくる過ぎ去りし海中の思い出。これが加藤さんの言ってた「思い出の後追い」なんですね。
 沖縄に住んでいる私ですら、見た瞬間はハッとしてしまいました。これが内地から来た方なら、なおさらでしょう。

 内地にお住まいの読者のみなさん。そしてもちろん、沖縄に住んでる読者のみなさんも。
 ぜひ一度、海底ポストに思い出を投函して、キュンとくる後追い体験を味わってみてください。



取材協力:
波の上ビーチ 波の上うみそら公園
[お問い合わせ]Tel:098-863-7300
http://www.naminouebeach.jp/



 ・・・本編は以上になります。
 DEEの記事では書けないな~と思って控えた事実があったんですが、実はうみそら公園がオープンしたての昨年5月、私何も知らなかったので一人でこのビーチに入って1時間ほど素潜ってしまいました。
 陸地に泳ぎついた途端、管理事務所のスタッフ4人に取り囲まれ、厳重注意を受けたという悲しい過去があります。
 その時も最後まで対応してくださったのが加藤さんで、その過去を乗り越えての、今回の取材と相成りました。
 加藤さんだって、もちろんその時のことは忘れていません。
 関係性はちょぴりマイナスからのスタートではありましたが、今回の取材を通してよい関係を築くことができたので、このネタを私にふってくれたDEE編集部およびゲストライター陣には感謝したいと思います、ありがとうございました!



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この記事へのコメント
スキューバが初めてってチョットびっくり。水中でカラダが安定しないのは、余計な力、リキみがあるからですよ、きっと・・・
Posted by 庚子(かのえね) at 2014年10月10日 11:31
> 庚子(かのえね)さん
ええ、よく言われます。ライセンス持ってないの!?って。重いしお金もかかるしメンドクサイので、やっぱり自由なすもぐらーがイイですね^^
沖縄好きで住んでる方はスキューバライセンス持ってる方が多いようですが、庚子(かのえね)さんは持ってらっしゃるでしょうか??
Posted by  牧 at 2014年10月11日 15:27
ポストに鎮座しているシーサーが海底の雰囲気で幻想的ですね。
スキューバが苦手な素潜ラー・・・いい響きです。牧さんにピッタリ。機会があれば海底ポスト投函してみたいと思います。
Posted by はまぼん at 2014年10月11日 22:55
>はまぼんさん
そう、海中に鎮座するシーサーの雰囲気がとてもよかったんです!これは是非、生で見てもらいたい幻想的な様子です。
多分、何かしらの要請がない限り、スキューバはしませんっ!この日ずっと気持ち悪かったし、なおさらですorz
Posted by  牧 at 2014年10月12日 12:27
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