2017年09月07日
久高島、その神の島で見たものは。~その3~
その2からの、続き。

集落北東の外れにある木々のトンネルをくぐったら、集落散歩の最終目的地に向かいましょう。

集落からほんの少し外れた場所にある、久高島宿泊交流館。イメージ的には日本全国にある青年の家に近い感じでしょうか?
久高島の宿泊施設の中では最も新しく、最も清潔であることが想定されたので、本当はここに泊まりたかったのですが、さすがに久高島行きを決めたのは今日の前の日です。ハイシーズンなので空いているはずもありませんでした。。
レイラ「せっかくだからちょっと入ってみない?」
そんなレイラの言葉に、一歩前に踏み出した瞬間・・・
牧「っ!?」

なんと、サンダルの緒が剥がれてしまったのです。
牧「うああああーーー!!!緒が・・・緒が切れた!!なんでわざわざ久高島で切れるわけ!?ウソでしょ?7年も使ってきたのに!」
レイラ「いや、7年使ってんならいつ壊れたっておかしくないじゃんw」
冷静に考えればレイラの言うとおりなのかもしれませんが、場所が久高島とあって私はもう頭がぐるぐると回って回って止まりません。ミントングスクで靴底が剥がれた件といい、アマミキヨの力は私の靴をダメにするのがお好きなようです。何その地味な嫌がらせ。。
牧「うぅ・・・靴これしか持ってきてないのに。あとはダイビングシューズしかないよぉ。。」
レイラ「いやいや牧ちゃん。あの、

無人販売所の島ぞうりがあるじゃない。」
ほんの1時間ほど前は「ないわー」状態だったのに、まさかここで選択肢に入ってくるとは。
しかし、私のサンダルは緒がなくても足の甲をしっかりホールドしてくれるので、あまり困らなかったりします。買う・買わないは様子を見てからにするかなぁ。
ちょっとしたアクシデントに見舞われましたが、気を取り直して交流館に入ってみましょう。

ただ宿泊するだけのつまらない綺麗な施設かと思っていたのですが、なんとここには民俗資料館が併設されています。ここぞとばかりに飛びつく我々一行。

資料館は久高島の年中行事に関する写真、文献、モノの他、昔久高島で漁に使われていたであろ帆掛サバニ(多分)が展示されている。
しかし、ここ久高島で最も注目すべきはやはりイザイホーに関する展示。
イザイホー・・・それは、久高島で独自に行われる、島の女性を神女とするための儀式。12年に1度、牛年にのみ行われ、両親が久高島出身で、久高島で育った30歳から41歳の女性がこの儀式を通じて魂を神女に変える・・・というものらしい。
久高島には年間40もの行事があり、それを主に行うのがイザイホーにより神女となった女性たち。正しい形で島の行事を行うためにもイザイホーは重要な行事だが、1978年を最後にイザイホーは行われていない。それは条件に該当する女性がいないこともだが、儀式の段取りや祝詞を熟知した久高ノロの補佐官が亡くなったことも、一つの原因とのこと。
ちなみに、その1で紹介したウミヘビ漁を行う女性は、最後のイザイホーで神女になった二人。もし30歳で神女になったとしても、今年69か70歳。神女は70歳が定年だそうなので、久高島の神女は絶滅寸前か、もう絶滅してしまっている・・・ということになる。

神女たちが使う神扇。太陽に鳳凰、瑞雲、裏には月と牡丹が描かれているらしい。
白い装束に、勾玉、そして扇・・・こうしたものを見に付けて霊力を高め、神事の際には神女としての力を発揮していたんですね。
・・・ん?

左の鳳凰、よく見たらマンガ笑い(黒目で笑うこと)してる
こういった些細な事柄は霊力には関係ないみたいですね。

秋篠宮夫妻が久高島を訪れた際、座った座布団。ここ唯一の珍展示

サバニを覗き込むと、島の行事や生活を映したDVDが何枚か置かれている。
宿泊客以外でも9時~18時まではこちらで見ることができます、さっそく何か物色してみましょう。

管理人に声をかけたら予想外にでかい液晶準備された
選んだのは、1966年のイザイホーを納めたショート映像。イザイホー自体は以前桜坂劇場で上映されていたので見に行ったことがあるのですが、レイラは見たことがないので彼女に見せてあげようと思い選んでみました。

牧・レイラ「・・・」
しばらく二人してその貴重な映像にしげしげと見入っていたのですが、突然レイラが声を上げました。
レイラ「ねぇ・・・さっきから同じような顔ばかりなんだけど。」
牧「・・・・本当だ!!」
写真に収めてくればよかったと後悔しても遅いのですが、イザイホーに参加している40歳前後の女性は、顔の骨格もパーツもみなほぼ似通ったような感じです。
神女になる条件の一つは、両親が久高島出身であること・・・小さな島のことなので、当然血が相当程度に濃いことは想像に固くありません。彼女たちの顔が酷似しているという事実は、それを象徴的に表していると言えるでしょう。
誤解を恐れずに書きますが、血が濃いと色々な面で弱いものが出やすいそうです(物理的な面では、ダックスフンドのヘルニアとか)。
私が石垣島にいた頃、仕事柄あまりお金がない家の方々と関わっていたのですが、国に判定されないレベルに知的障害のある人の多さに驚いたことがありました。表には出ていませんが、事実多いのです。
しかし、そういった人こそ見えない世界に通じていて、神に近い存在として敬われる傾向があります。「両親が久高島」という条件は、純血という以外にも何か意図している部分もあるのか・・・?なんてことが頭をよぎりました。あくまで個人の偏見ですよ
イザイホーのDVDは16分なので、時間がない方はぜひこちらをご覧になってみてください。
ちなみに年中行事のDVDにはこんなものが収められていました。

漁労の神 ソールイガナシー
レイラ「この絵面!悪意を感じる!!!」
牧「なんで家ん中で気だるく煙草くゆってる場面なんだよ、もっといいのあるだろー。」
事実、この後キリっとした姿でお務めされている様子が収められてありました。普通、それだけでいいよな。
「次回はここに泊まって、夜9時まで酒飲みながらDVD見たいな~」なんて言い合いここを後にしたのですが、帰った後でとんでもないことが・・・・それは最後に記載したいと思います。知ってる方は心の中で「あれね!」と思っておいてください。
それでは遅めのランチをとるため一旦集落に戻りましょう。

お昼は「食事処とくじん」へ。ランチは3件営業ありますが、夜はここ1件のみ。万が一ここが休みの場合はディナー難民になってしまうので、行事の時なんかは注意した方がよさそうですね。

レイラの選んだてんぷらセット、魚が柔らかく美味!曰く、「あとはフツー」らしい
私?なんの面白みもないそばなんで割愛させていただきます。
ただ、この店には久高島だけにイラブー汁もあるので、冒険したい方はぜひ挑戦してみてください。
お腹を満たして泳ぐ準備をしたら、

バン太郎にレイラを乗せ、いざ潜れる場所を探しに街を出て冒険に向かいますか!
案内所ではロマンスロードなる道沿いに泳げる場所があるから、とのこと。
事前にネットで調べたところ、マリン業者に北の端の岬に連れて行かれたけど、サンゴもなく魚影があるくらいだったという情報を得ていたので、出来れば別のキレイなところで泳ぎたい。
そんな思いを抱え、泳いではいけない場所の多い東側でなく西側を攻めてみることにしましょう。

適当な場所で海に通じる道を見つけて、と。

すごい綺麗なのに通行禁止とは!?
島のガイドブックに記載されていますが、崩落危険箇所がいくつかあるようです。本来だったらここ下りても大丈夫なはずなのに。くっそぉ、島の財政が憎い・・・。

お次は案内所で教えられたロマンスロードへ
『ロマンスロード』という名称、この島ではエラい浮いてるし違和感すごいので、もう少し島っぽいいい名前にしたらいいと思います。

岩場だけどすんごい綺麗!これは期待!!
この岩場の先に、案内所で聞いた泳ぐポイントがあったはず・・・・!

牧「って、ここもダメなんかーい!!」
なんと案内所で聞いていた場所にも入れない。
なんてことだ、久高島の海は聖域的な意味で入れない場所も多いのに物理的にも我々を拒絶するのか!?
こうなったら、もう的を一つに絞るしかない。。
バイクに乗った我々は、とある場所を目指す。
その4に、続く。
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。